小学生に算数について聞くと、多くの子供たらから「算数っておもしろい、好きだよ!」と答えてくれます。でも・中学生や高校生では、「数学は難しい。無味乾燥としていて、いったい何の役に立つの?」といった答えが返ってくることも少なくありません。
私は文学部に籍をおいていますが、多くの学生から「本当は数学が好きなんだけど、高等学校からほとんど理解できなくなってしまった。」といった言葉を耳にします。
これは、おそらくは小学校から中学校・高校と進む中で算数や数学の扱う対象が変わっていくことに原因があると思われます。
こうした傾向が、頭では「数学的考え方は大切である」と納得しながら、実際の心では「数学に大きな違和感を感じてしまう」といった状況を生み出しているのではないでしょうか。
ところで、数学や科学は我々人間が自分たちを取り巻く宇宙や自然を理解し、またその中で生活する必要性から築かれてきました。ですから、最初の数学はもっと具体的なものであったはずです。
数学のおもしろさの一つは「具体的な不思議さ」です。これは目に見える形で登場します。
「ラボ・アッシュ」では、このようなコンセプトから数学を実際に目で見られる形で表現することを目指しています。また、このような観点から「機械仕掛けの数のマジック展」を不定期ではありますが、各地において開催していこうと考えてます。
人間が素晴らしい存在である一つの証は、知の自由、精神の自由を共有できることです。「ラボ・アッシュ」の活動に対して皆様のご理解を賜れば、また、お気づきの点などご教示、ご意見賜れば幸いです。                    

東海大学文学部ヨーロッパ文明学科 教授
平野 葉一